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不眠症外来

不眠症とは

不眠症とは

不眠症は、眠りたくてもなかなか眠れず、十分な睡眠が取れないことで日常生活に支障をきたす病気です。以下のような症状でお悩みの方は、不眠症の可能性があります。ストレス社会とも呼ばれる現代社会において、日本人の5人に1人は何らかの睡眠障害に悩んでいるとも言われています。

  • なかなか寝付けない
  • 眠れても夜中何度も目が覚めてしまう
  • 目が覚めたらその後なかなか眠れなくなる
  • かなり早朝に目が覚める
  • 熟睡できていない
  • 目覚めが悪い
  • 目覚めがスッキリしない
  • 昼間にぼーっとしてしまう
  • すぐに眠くなってしまう など

不眠症の特徴

不眠症の症状が3カ月以上続いている場合、なかなか自然治癒はできないと言われています。
睡眠についてお悩みの方は、早めに医療機関にご相談ください。不眠症状に加えて日中症状が3カ月以上続いた場合は、慢性不眠症と診断されます。

不眠症状

  • なかなか寝付けない(入眠困難)
  • 夜中に目が覚めてしまい、
    寝付けなくなってしまう(中途覚醒)
  • 早朝に目が覚めてその後
    眠れなくなってしまう(早朝覚醒)

日中症状

  • 不眠症状によって心身の不調をきたし、日常生活に支障が及ぶ状態
  • 強い眠気に襲われる
  • 疲労感
  • 倦怠感
  • 無気力
  • 興味や関心が湧かない
  • 落ち込んだりイライラしたりする
  • ミスや事故が多発する
  • 記憶力が低下する
  • 仕事などでパフォーマンスが低下する
  • 不眠のことばかり考えて仕事に
    集中できない

不眠症の4つのタイプ

不眠症の治療では、以下のタイプ別に薬剤を処方します。

入眠障害

いつも寝付きが悪く、眠れるまでに30分から1時間程かかってしまう。なかなか寝付けないことが苦痛に感じる。

中途覚醒

夜中に何度も目が覚めてしまい、その後なかなか眠れない状態。

早期覚醒

朝早くに目が覚めてしまい、再度眠れなくなってしまう状態。

熟眠障害

睡眠時間はしっかりとれているのに、眠れた感じがしない状態。眠りが浅いと感じてしまう。

不眠症の主な5つの原因

不眠になる原因は人それぞれで、心身のストレスや体調の変化、その他の疾患が原因であることがあります。また、不規則な生活習慣や生活習慣病、喘息、睡眠時無呼吸症候群などの疾患も原因となります。さらに、加齢や頻尿なども不眠を招きます。不眠症の主な5つの原因は、以下の通りです。

身体的原因

身体的疾患によって眠れない状態。痛みや痒み、発熱、頻尿、咳症状が原因で眠れない。

薬理学的原因

カフェインやアルコール摂取、治療薬によって眠れなくなってしまう。

精神医学的原因

うつ病やパニック障害、不安、アルコール依存症などによって眠れない。

心理学的要因

過度のストレスや重篤な疾患、人生における大きな変化などで心に負荷がかかることが原因。

生理学的要因

時差ぼけや交代勤務、夜勤、短期入院などによって眠れない。

不眠症の簡易診断

アテネ不眠尺度

睡眠問題について、この1カ月間に少なくとも週3回以上経験したものに〇をつけてください。

  0点 1点 2点 3点
A:寝つきの問題について
床に入って入眠までに要する時間
問題ない 少し時間がかかった かなり時間を要した 非常に時間がかかった、全然眠れなかった
B:夜間、睡眠中に眼が覚める問題について 問題なかった 少し困った かなり困っている 全く眠れなかった、深刻な状態だ
C:希望する起床時間よりも早く眼が覚めて、その後眠れない問題について 問題なかった 少し早く眼が覚めた かなり早くに眼が覚めた 非常に早かった、全く眠れなかった
D:総睡眠時間について 十分な睡眠時間をとれた 少し足りなかった かなり少なかった 全然足りなかった、全く眠れなかった
E:全体的な睡眠の質について 満足している 少し不満だ かなり不満だ 非常に不満だ、全然眠れなかった
F:昼間の満足感について いつも通り 少し低下している かなり低下している 非常に低下している
G:昼間の活動について
(身体的・精神的)
いつも通りだ 少し低下している かなり低下している 非常に低下している
H:昼間の眠気について 全くない 少し眠い かなり眠い 激しく眠気がある

合計点の見方

点数 結果
0~3点 問題ありません
4~5点 不眠傾向
6点以上 不眠症の可能性あり、医療機関にご相談ください

日常生活でできる不眠対処法

以下に挙げるように、日常生活を送る上で改善できることがあります。

自身でできる不眠対処法

  1. 眠くなってから床に就く
  2. なかなか眠れない時は寝室から出て
    リラックスしてみる
  3. 寝室では寝ること以外のことはしない
  4. 昼寝をする際は短時間にする
  5. 運動や入浴で身体を温める
  6. 寝るために飲酒をするのはやめる
  7. カフェインの摂取を控える
  8. 寝る前に心身の緊張を緩める

不眠症が悪化する
やってはいけない眠り方

  1. 早寝(眠くないのに眠ろうとする)
  2. 長寝(眠れないのに布団に長くいない)
  3. 昼寝(長時間の昼寝は夜の睡眠の妨げになる)

薬物治療

日常生活での工夫をしても改善しない場合は、薬物療法を検討します。
不眠のタイプに応じて適切な睡眠薬を以下の4種類から処方します。必ず、医師の指示に従い、用量を守って服用してください。

① ベンゾジアゼピン系睡眠薬

脳内の神経伝達物質であるGAVAに作用することで、不安や緊張を緩和し脳の活動を休ませて睡眠の質を高めます。

② 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

同じくGAVAに作用しますが、主に催眠作用に働き、その他の作用は弱い睡眠薬です。

③ メラトニン受容体作動薬

メラトニン受容体は、体内時計を調節するホルモンです。メラトニンに作用して眠気をもたらします。

④ オレキシン受容体拮抗薬

脳内の覚醒ホルモンとされるオレキシン受容体に働きかけ、眠気をもたらします。

ご高齢の方の留意点

こんな工夫でよい睡眠を

高齢になると睡眠時間が短くなるとされるため、若い頃よりも質の良い睡眠が大切になります。睡眠の質を維持できないと、昼間に強い眠気に襲われて昼寝が長くなり夜に眠れないといった悪循環が起こることがあります。このため、ご高齢の方は質の高い睡眠を心がけることが重要です。

食事にも一工夫

生活リズムを整えるためには、栄養バランスの良い食事を適量摂ることが大切です。また、消化するのに2~3時間かかるため、入眠の2~3時間前には夕食を済ませることも重要です。

適度な運動で身体をリラックス

適度な体操やストレッチは筋肉をほぐし、手足が温まるため入眠しやすくなります。

お風呂も効果的に

湯船にゆったりと浸かることで血行が促進し、手足が温まり心身がリラックスできます。眠る1時間前ぐらいに入浴することで、スムーズに入眠しやすくなります。

朝日を浴びて生活リズムを
リセット

朝起床して、朝日を浴びることで心身が目覚め、1日のリズムを作ることができます。

日中は適度な散歩で、
身体も心もリフレッシュ

天気の良い日は、適度に散歩することをお勧めしております。自然に触れながら、身体を動かすことでリフレッシュできると同時に昼夜のメリハリができて睡眠の質を上げることができます。

夜、眠くならない時には

眠くないのに無理にお布団に入って眠ろうと頑張ると、緊張から余計に眠れなくなることがあります。眠くない時は無理をせず、読書をしたり、ラジオやテレビなどで夜の時間を楽しむこともお勧めです。緊張をほぐし、リラックスすると徐々に眠くなってきます。

オンライン診療も対応

当院の不眠症外来では、オンライン診療にも対応しております。なかなか眠れない、眠りが浅いなどの不眠症に関するお悩みを、自宅から医師に相談できる環境を整えています。外出が難しい方や忙しい方でも、安心して継続的なサポートを受けられます。

オンライン診療